季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

野菜歳時記「12. 春野菜をたっぷりとって春バテを吹き飛ばそう」

野菜歳時記 12. 『~春野菜をたっぷりとって「春バテ」を吹き飛ばそう~』

 春を呼ぶ祭りえんぶりが終わると、暖かい日も多くなり春の兆しを感じられるようになります。しかしまだまだ寒暖差が大きく、進学や就職など自然環境や生活環境に大きな変化がある時期でもあります。こうした変化が要因となり心や体に不調をきたして、倦怠感、やる気が出ない、集中できない、イライラするなどの「春バテ」といわれる症状に悩む方も多いそうです。「春バテ」を防ぐ為に、偏食を避け、メニューに野菜を取り入れたバランスの良い食事を心がけてはいかがでしょうか?

 今の時期は「新」や「春」といった冠をつけて呼ばれる、新じゃがいも、新玉ねぎ、新にんじん、春キャベツなどの春野菜が数多く出回ります。これらは通年でまわるものと比べると柔らかく甘みがあり、みずみずしいのが特徴です。苦みや辛みも少ないので特にサラダなどで生食するのがオススメです。食物繊維をたっぷりとることで腸内環境が整備され、腸が元気になることで、自律神経が整ってストレスが軽減し、全身の免疫力がアップする効果も期待できます。

 また、 春の山菜である、たらの芽、ふきのとう、うどなどに含まれる、独特の苦味成分は「植物性アルカロイド」という成分です。この成分は腎臓のろ過機能を向上させ老廃物を体の外に出してくれるデトックスや新陳代謝を促進する効果があります。余分なものを溜め込んだ冬の身体を目覚めさせ、春仕様の身体に移行させるため、山菜の魅力である苦みを上手に活用したいですね。

 春野菜を使った美味しい食事で「春バテ」を吹き飛ばし、元気な毎日を過ごしましょう!

文:有限会社やまはる 中野 正信 (野菜ソムリエ)