季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

野菜歳時記「4. 令和初のお正月を縁起良く」

野菜で辿る旬と暮らし 野菜歳時記「4. 令和初のお正月を縁起良く」

平成から令和に年号が切り替わった今年、師走も迫りあと僅かとなりました。令和初のお正月をお迎えするにあたり、おせちには欠かせない縁起の良い野菜をご紹介したいと思います。

もともとお正月は、五穀豊穣を司る年神様を家にお迎えし、家族の子孫繁栄と守護を祈念する行事です。そしておせち料理は年神様にお供えする縁起物の料理であり、家族の安全と健康、子孫繁栄の祈りを込めた食材がおせちには、ふんだんに盛り込まれており、以下のような意味があります。

「牛蒡」 しっかりと根をはることから一家の土台がしっかりするように

「くわい」 立派な大きな芽がでることから、出世するように

「蓮根」 穴から向こうが見えることから、見通し良く一年が過ごせるように

「八つ頭」組織の頭となって出世をするように、また子芋がたくさんつくので子孫繁栄するように

「黒豆」 黒くなるまで日焼けするほどマメに真面目に働くように

「海老芋」 海老のように背中が曲がっても長寿に健康に生きられるように

「栗金団」 クチナシの実で黄金食に色づけされた金団は財宝を意味し、豊かな生活が送れるように。また栗は繰り回しが良くなるように

皆様に食材に込められた意味を知って頂き、家族と共に、おいしいおせち料理で団らんし、お正月を健やかに過ごされ、また新年がより良い年になることをご祈念申し上げます。

文:野菜ソムリエ 中野 正信 (有限会社 やまはる)