季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

食育エッセイ39「食から元気なからだと豊かな心を」

食育エッセイ 食から元気なからだと豊かな心を 「シェア」することから 「家庭は質素に、社会は豊富に」の視点で、 合理的に生きる方法を考える

 「ジュンコ先生~、おでん作ったので一口どうぞ!」
 「ジュンコ先生!いい山椒が手に入ったので、山椒ご飯を炊いたんですけど、おすそわけでぇ~す。」
 「お口に合うかどうか、マヨネーズ、これは身体にいいから食べてみてくださいね。」
 「産みたて卵を食べると元気になりますからお母さんへ。」
 「先生が好きなばっけみそ、おまけしておくね!」
 「山に行ってきたタラの芽とコゴミ、ここ置いてくね。」

 本当に嬉しい言葉、ジュンコ先生が大好きな言葉が「おすそわけ」です。私たち家族を助けてくださる方々が、こんな優しい言葉をかけてくださり、一年を通じてお届け物が玄関に届きます。なんて幸せな瞬間!


毎日の食事作りは、確かに大変です。世の中のお母さんたちは本当によくやってるよね、と幼い子どもたちを日々育てている保護者の皆様を尊敬しているジュンコ先生。

 人間は食べなければ生きていくことはできず、しっかり食べることで、丈夫な身体が作られていくのですから、食事をすることはとっても大事なこととはわかっているのですが、いざ作るとなると、何を作ろうかと考えることから始まり、材料買い出し、下ごしらえ、調理、盛り付けと、時間も費やします。栄養を考え、バランスよく、最近は老いた父母のそれぞれに制限されている食材を除いて作らなければならず、気を遣う日々。しかし、そんな時に届けられるおすそわけ。

 おすそわけが毎日あればいいな♪ と思いつつ、一人が一品のおかずをたくさん作って、自分もそれをおすそわけして、皆さんからもおすそわけを受けて交換していくと、どの家庭も一品作れば食卓の何品かは揃うというシステムができないものかと想像しているジュンコ先生。

 その考え方は、八戸に生まれ、育ち、日本人初の女性新聞記者となった羽仁もと子に原点が。羽仁もと子は明治・大正・昭和初期の家庭雑誌「婦人之友」の中で、すでにシェアハウスを提案しています。「客間など、お客さんが毎日くるわけではないので各家庭に一つ必要ではなく集合住宅に一つあればいい」とか、「ピアノも各家庭に一台ではなく、シェアハウスに一台あって借りることができればいい」などと、「家庭は質素に、社会は豊富に」の視点で、合理的に生きる方法を次々と考え、現代社会に実現しているシェアハウスをすでに構想していた羽仁もと子。

八戸も一気に寒くなり、これからの食卓は湯気がごちそうになる時期に。「おもてなし」「おすそわけ」と素敵な言葉がある日本の、季節の味から元気をいただきに!ウエルの皆さんの技のおすそわけを楽しみに。さあ、出かけますよ!

– 書き手- 千葉幼稚園 園長 岡本 潤子