webwell

2009/11 vol.45 毎日が楽しくなる情報誌・旬の味覚満載・ランチ&歓送迎会情報



topics

2010.07.10 …
well vol.48発刊しました!八戸三社大祭ガイドや全店舗の情報を更新しました。

2010.05.10 …
well vol.47発刊しました!全ショップの情報も入れ替えましたのでお楽しみください。

2010.02.10 …
well vol.46発刊に伴いwebwell全店舗リニューアルしました。

南部の昔っ子 久慈瑛子 作

飯(まま)を食わね嫁っこの話

 昔むかし、あるどごろの村に、たまげだけちな若者がいだったず。若者は、嫁こさ食わせる飯がもったいねえと嫁こをもらねでいだったず。それでもだんだん嫁こが欲しぐなって「飯食わねえ嫁こいねえべが、飯食わねえ嫁こいねえべが」と村中を叫んで歩いたず。したきゃ「あん様、我ば嫁こにもらてけろ。我、飯はでえ嫌れえだ。」って、若者の家さめごい娘が来たず。若者は喜んで娘ば嫁こにしたずもな。ほんにこの嫁こは飯も食わねでせっせと働いたず。
 そうしたある日の真夜中「バチバチ」という薪が燃える音に若者は目を覚ましたず。音こがした方さ行ってみだきゃ、なんと嫁こぁ大きだ鍋で飯を炊いでいだったず。若者は黙って見でいると、嫁こは飯が炊げだきゃ、それを大きだにぎり飯にしたずおん。それから結んでいだ髪をだらっと下げで髪を頭の真ん中がら真っ二つに分げだず。したきゃなんと、髪を分げだ頭の真ん中に赤くて大きな口があったず。嫁こはその大きな頭の口さにぎり飯ば、ばっばっと投げ入れだずおな。若者はどでんして「わあー、化け物だぁー」と声を出してしまったず。その声を聞いだ嫁この振り向いだ顔は目はつり上がり、口は耳まで裂けだ鬼婆の顔だったず。「よぐも見だな。世の中に飯を食わねえ嫁こなどいるもんでね。今まで腹こ減らして働いだ分だ。飯と一緒にお前も食ってけら」と若者を追いかけできたず。若者は恐ろしくて、ぶんぐぶんぐと裏山さ逃げだず。そして蓬と菖蒲の茂った原っぱまで来た時、息こが切れでばったり倒れでしまったず。そしたら、「こら!待で!」と追いかげて来た鬼婆の足が、若者が隠れでいだ茂みの前で急に止まったず。若者は「見つかる、我の命ここれでおしまいだ」と目をつむったずおな。したきゃ、鬼婆は「じゃじゃ、これ以上奥へ入っていげねえ。蓬のかまりかめば体こ腐るし、菖蒲の葉っぱは刀のようだべし、ああ、おっかねえ。」と鬼婆はすごすごと山さ引き上げでいったず。命拾いした若者は、鬼婆の嫌いな蓬と菖蒲の葉っぱを体さ巻いで家さ帰ったず。
 飯食わね嫁こが欲しいと云ったばっかりにおっかない思いをした若者は、それから飯をいっぺえ食って働ぐ嫁こ捜すことにしたず。
 今も軒に菖蒲と蓬を挿すのはこのことからずっと続いているのだず。
どっとはれ




八戸市全域・中心街マップをPDFで表示