季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

チーズとワインのマリアージュ [ well vol.87 ]

チーズとワインのマリアージュ

高森 皆さま! またお会いできる事となりました八戸パークホテル髙森です。チーズの美味しさをまだ伝えきれておりませんでしたので、CHEESE DAY店主早狩氏にサポートして頂きながら、チーズとワインのペアリング検証を今号から再開したいと思います。
 これまで『白カビタイプ』『青カビタイプ』『ウォッシュタイプ』と3種類のチーズが出てきましたね。早狩さーん! 今号は?

早狩  シェーヴル「やぎのチーズ」です。お店にいらっしゃるお客様から「やぎのチーズありませんか?」と尋ねられると、店員としてちょっとうれしい気持ちになります。
 独特の風味を持つやぎのチーズ、シェーヴルに、ぎゅっとつまった味わいと香りは、好きな人には抗えない、まさにヤギ沼、他にはないハマるタイプのチーズなのです。
 代表的なフランスのシェーヴルは、中心を貫くライ麦の藁と周りを覆う灰、細長い形の「サントモール」、コロッとした姿がかわいい「クロタン・デュ・シャヴィニョル」など。フランス各地で多様なシェーヴルが作られ、愛されています。軽やかな味わいのシェーヴルは、サラダに使ったり、フルーツやジャムを添えて、キリッと冷えた白ワインと合わせて食べるのがパリジェンヌのお気に入り。おしゃれですね。
 シェーヴルは通常10日間ほどの熟成を経て出荷され、若いうちはフレッシュな酸味が特徴です。さらに何日か、あるいはもっと長く熟成させることで、身は絞まり、味わいも風味も濃縮されて複雑になり、ピリッとした辛みと独特の旨みが生まれます。
 かすかな酸味、ミルクの甘みとコク、植物、ハーブ、干し草やスパイスを想起させるどこかなつかしい香り、フォークの先のほんの小さなひと口でさえ、口の中いっぱいにその味わいが広がります。そうしてワインとの最高のマリアージュを楽しむことができるのです。

高森  シェーヴルに感じられる香り、植物、ハーブ、干し草は緑豊かな牧草の香りです。ソーヴィニヨン・ブランという品種に感じられる青草の香りは同調すると思います。
 シェフと試食してみました!フランスロワール地方の『サンセール』辛口の白です。石灰質の土壌のミネラルが豊富で、キリっとしたレモンやグレープフルーツなどの柑橘系のきれいな酸味を感じるワインですよ。甘みのあるワインですと・・・ 口中の『ヤギ感』が強くなり過ぎます~。

早狩 一方同じやぎのチーズでも、フランスのシェーヴルとは全く異なるやぎのホエイ(乳清)を使った北欧生まれのチーズは、塩キャラメルのような風味が人気で、どなたにも好まれる注目株です。
 ノルウェー産の「イエトオスト」は、チーズ造りで排出されたホエイと乳を煮詰めて生クリームを加えて作っています。香ばしく甘じょっばい感じが食べやすく人気で、コーヒー、ビール、濃い目の赤ワインなど幅広い飲み物によく合います。

高森  現在ワイン産地の北限がノルウェーとされています。ノルウェー産のワインはまだ飲んだことないですね~。
 さて、食べてみると塩キャラメル!舌の上にこってりとした旨味が残ります。カフェオレと合いますね。エール系のどっしりしたビールも合いそうです。
 赤ワインは果実の甘さが強いワインではなくしっかりしたボルドーが良かったですね。ワインを飲んだ後にイエトオストの甘じょっぱさがもう一度感じられます。おいし~!

 前号のウォッシュに続き風味の強いチーズでしたね。ワインや飲み物でチーズの存在感が強くなったり弱くなったり。CHEESE DAYさんでは小分けにして購入できますので、初めてのチーズも試しやすいのでは?では、また次号で!