季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

チーズとワインのマリアージュ [ well vol.83 ]

高森 皆様!八戸パークホテル高森です。お待たせしました。いよいよチーズとワインのペアリングです。食事とワインの組み合わせの中でも大変人気のチーズ。今号からはチーズのプロフェッショナル、お呼びしておりますよ!八戸ポータルミュージアム2F『CHEESE DAY』店主の早狩昌幸氏です。フランスでは1つの村に1つのチーズがあると言われています。色々なチーズの事お伝え下さいね。

早狩 まず1回目は、人気の『カマンベール』と『ブリード・モー』。あまりチーズに詳しくない方でもカマンベールの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。どちらもフランス産、白カビをふわっとまとい、中身はモチッとあるいはトロッとした白カビソフトタイプのチーズです。独特のキノコのような香りと滑らかな舌触り、ふくよかで塩味のきいた味わいが人気です。カマンベールはフランス北部ノルマンディー地方が原産で、本来ノルマンディーのカマンベールだけがカマンベールと名乗れるのですが、実際はカマンベール風チーズが世界中で売られています。

このカマンベールの元となったチーズこそ、フランスチーズの王様『ブリード・モー』。1815年ウィーン会議で行われたチーズコンテストで優勝し、くチーズの王様>と称されました。無殺菌の牛乳で作られ、直径36cm、重さ3kgもある大型。中世のカール大帝のお気に入りという記述に始まり、太陽王ルイ14世がベルサイユ宮殿に大量に運ばせていた、かのフランス革命でルイ16世が死ぬ前にもう一度ブリーをと言ったなどの逸話からく王様のチーズ>とも。この革命の最中パリから北に逃れた僧侶がブリーの作り方を伝授して出来たというのがカマンベール。その後カマンベールは美味しさと独自の木箱入りで運搬に便利な事もあって世界中で愛されるように。そしてブリード・モーは王様らしく、特別なディナーやクリスマスに華を添え、庶民を王様気分にさせてくれるのです。
お茶やコーヒーとも相性が良いのですが、やっぱりワイン。高森さん、オススメのワインを教えて下さい。

高森 チーズとワインの合わせ方で基本と言われているのが、同じ産地や原産地が近いもの同士を合わせる!とか、味わいや香りに共通点があるものを合わせる!など。白カビタイプの牛乳を使用したチーズに合わせるワインは、『白』はシャンパーニュ、ブルゴーニュ、『赤』はコート・ド・ボーヌ、サン・テミリオン、ポムロールです。
シャンパーニュは澱と呼ばれる旨味と一緒に熟成されます。時間をかけて造られるチーズの味わいと芳醇な香りに寄り添います。
ブルゴーニュの樽で熟成した白ワインは酸味が柔らかくバターやヨーグルトのような乳製品の香りが出ますのでチーズのクリーミーな部分にぴったり。
粘土石灰質土壌からメルロというブドウ品種の滑らかな口当たりの赤ワインが産出され、塩味や風味のしっかりとした白カビチーズとの相性は抜群です。
昨年行って参りましたフランスで出会ったとっておきのワイン、ご紹介致します。


Champagne DAMIEN HUGOT
〜ダミアン・ウーゴ〜

畑はシャルドネの名産地、コート・デ・ブラン地区のシュイィ村とクラマン村。17あるグラン・クリュと言われる村に位置しています。シャルドネから生まれるシャンパーニュにとても惚れ込んだ輸入業者が、4年かけて頼み込み、2013年からやっと日本へ輸入することができたというワインです。スタンダードから特別なものまで取り揃えて おります。



Clos Leo
〜クロ・レオ〜

2000年に渡仏した篠原麗雄(しのはら れお)氏。シンデレラワインとしていきなり注目を浴び、市場で高値取引された「シャトー・ヴァランドロー」で働いていましたが、ワイン造りへの情熱が抑えられなくなり2002年、自身のワイン造りを始めます。共同プロデュースで生産した『Gang Vang(ガン ヴァン)』は、保水性が高い土壌の下に分厚い石の塊(岩盤)が何メートルにもわたって地中深く続く畑で栽培。ワインに上品なミネラルを与えています。ワインの名前はその土壌から付けられたそうです。リーズナブルながら個性を兼ね備えた非常によくできたボルドーブレンドです。

1回目は有名な白カビタイプとのペアリング。ワインは八戸パークホテルでしか飲め ない特別なワインご紹介しちゃいました。食べたくなったら早狩さんのお店『CHEESE DAY』へGo!次号はワインを買えるお店もご案内させていただきますね。お楽しみに。